UVによる除菌・殺菌

UV除菌・殺菌

紫外線は自然界に存在する殺菌線

太陽光線の中には、雨上がりに見られる七色の虹に含まれる紫、藍、青、緑、黄、橙、赤のように物質に反射して 目に見える可視光線から紫外線、赤外線などの目に見えない不可視光線まで色々な波長の光線があります。 昔から、布団を干したり日光消毒として、太陽光線の恩恵を受けて来ましたが、現在の科学は太陽光の中の殺菌効果の著しい波長、 紫外線(殺菌線)を人工的に作り出しました。
『殺菌力は、太陽光線の64倍相当』に値します。 簡単な実験では、シャーレ(実験用の浅い小皿)に大腸菌を入れ、 99.99%殺菌するためには盛夏の直射太陽光線では64分ぐらいかかりますが、15Wの殺菌灯を50cmの距離に置いた場合、 約1分で死滅させることが出来ます。

紫外線は自然界に存在する殺菌線

紫外線の応用

紫外線殺菌

紫外線による殺菌は古くから研究されており、食品や医療関係など、様々な分野で活用されています。 紫外線の殺菌作用は1901年にドイツの物理学者であるハーマン・ストレーベルによって発見されました。 その後、1936年にアメリカのGE社によって殺菌ランプが開発され、1950年代頃から日本でも一般に普及していきました。
近年、ランプの効率化・高出力化によって紫外線殺菌の実用性は一段と高まり、食品工場や製薬工場での殺菌工程として不可欠な存在となってきています。 そしてLED・高圧水銀ランプ・無電極ランプ・キセノンランプなど新しい光源が登場し、用途も広がっています。
また、紫外線と光触媒の組合せによる新しい殺菌方法も注目され、照射した表面だけでなく内容物まで殺菌(滅菌)できる技術として、 パルスドキセノン装置が注目されています。


紫外線のメリットとデメリット

メリット

  1. 有害な副生成物を作らない。
  2. 薬剤の輸送、貯蔵、注入などの管理が不要。
  3. 設備が比較的簡単で低コスト。

デメリット

  1. 残留性を必要とする分野(例えば水道)では単独で使用できない。
  2. 水に吸収されて減衰しやすいので届く距離に限界がある。従って、大量の水を殺菌することができない。
    (清澄な水では厚さ5cmごとに照度は約3分の2ずつ低下し、河川水では厚さ1cmごとに3分の2のエネルギーが吸収されます。)
  3. 汚れた水の場合は紫外線発生ランプを頻繁に洗浄する必要がある。

【Read More】細菌の種類に対する必要殺菌線量