電源の用語
入力電圧
各仕様を保証できる入力電圧の公称値または範囲。
交流入力の場合は実効値で、直流入力の場合は瞬時値を含めて表す。
直流入力でリップル分を含んでいる場合はその最小値と最大値を考慮する必要があります。
交流入力の電源はほとんどの場合、入力をコンデンサインプットで整流、平滑していますので、
入力電圧の波形が歪んでいる場合、正常に動作しないことがある。
入力電流
電源に流れ込む電流で、実効値。
シリーズ方式、スイッチング方式共にコンデンサインプットの整流回路を内蔵しているため、
入力電流は正弦波とはならず、左図のような波形になります。
入力電力(入力容量)
電源にはコンデンサインプットの整流、平滑回路を使用している場合、入力電流の波形が歪むことがあります。
入力電圧(実効値)と入力電流(実効値)の積である皮相電力と入力電圧と入力電流の積の積分値である有効電力があります。
皮相電力は電源に流れ込む電力で、有効電力は電源で消費される電力となり、その差の電力は商用電源側に帰って行く電力となります。
効率
出力電力と入力有効電力の比。
仕様値は定格出力電力の時で表示され、出力電流が小さくなると、効率が悪くなります。
力率
一般に力率は電圧と電流の位相差で表しますが、電源の場合、 入力電圧と電流には位相差はありませんので、皮相電力と有効電力の比で表します。
突入電流
電源に入力電圧にかけた瞬間に流れる電流の波高値。
AC-DCのスイッチング電源の場合、入力電圧を直接コンデンサインプット整流するため、数十から数百倍の大電流が流れます。
そのため、左図のような突入電流防止回路を付けて突入電流を制御しています。
漏洩電流
人体への感電など安全面から各国の安全規格に定めている電流。
入力から1次側部品やトランスの1次-2次間の浮遊容量、ノイズフィルターの接地コンデンサなどを通して大地へ流れる電流をいいます。
測定は右図に示します。
電気用品安全法では周波数によって電流値が規定されています。
動的負荷変動
出力電流を仕様範囲内で急激に変化させた時の出力電圧の変動を+-で表す。
負荷の種類や配線のインダクタンス、スイッチの種類で電流の変化速度が違い、測定値が一定しない。
リップルノイズ
出力ノイズは出力電圧に重畳されるリップル以外のノイズ成分だけを言い、Peak-Peakで表す。
使用上はリップルを含むリップルノイズが問題になります。
スイッチング電源ではほとんどが矩形波インバータを使用しているため、
スイッチングトランジスタや出力整流ダイオードから出るノイズが出力に出てきます。
リップル、出力ノイズ、リップルノイズの関係を右図に示します。