耐雷トランスとは
SPD(避雷器)と耐雷トランスの違い
SPD(避雷器)は、雷サージを吸収し電圧を制限し、等電位化を図るものです。
電源線または信号線は接地端子に直接接続出来ないので、SPD(避雷器)を介して接続します。
サージ侵入時は、SPD(避雷器)が短絡状態となって電位上昇を防ぎ、等電位化を図ることができます。
耐雷トランスは、侵入サージに対して二次側は全く絶縁状態となり、
サージの移行がないようにしたものです。(通常の絶縁トランスでは,サージは二次側に移行してしまう。)
結果、二次側に接続された機器はサージに対して保護されます。
雷サージの発生の仕組み
雷サージとは雷によって、一時的に発生する異常な過電圧及び/又は過電流が
電源線、通信線、電気・電子機器に直接又は間接的に短時間で加わることをいいます。
雷の電流は非常に大きいため、雷放電路を流れる電流により、
配電線や通信線近傍の電磁界が急変し電線や金属部分に抵抗性結合及び誘導結合(電磁的、静電的)による過電圧が発生します。
発生した過電圧は電源線や通信線を通って電気機器に侵入し、被害を生じます。
その雷サージの影響範囲は落雷地点から数km 先にまで及ぶとされ、
すぐ近くの落雷ではなくても被害を受ける可能性も十分に考えられます。
雷サージの種類
落雷による被害は、「直撃雷」と「誘導雷」「逆流雷」に分類される。
直撃雷
直撃雷は、電気設備・人体・建築物、その他の物体に雷撃が直撃すること。 直撃雷による電圧・電流は極めて大きく、国内の落雷では、電圧は数百万V、電流は1,000~20,000A程度が多いとされている。 エネルギーが大きい場合、200,000Aを超えるような放電電流が観測されたこともあるが、数値となるのは稀である。
誘導雷
誘導雷は雷撃の直撃ではなく、近くに落雷した際に拡散するエネルギーによって電磁界が大きく乱されることにより発生する。 誘導雷の近くに敷設されている電線やケーブル、電気機器に対して誘導電流が発生し、 異常電圧によって機器の焼損・破損を及ぼす。 室内においては、パソコンや電話が雷で壊れたという事故のほとんどが誘導雷による異常電圧や誘導電流によるものです。
逆流雷
近くの建造物や樹木などに落ちた雷の電流が大地に十分浸透せず、配電線や通信線に流入(逆流)する現象のことを言います。 配電線や通信線につながる設備や機器を破壊する場合があります。
サージとノイズの違い
サージ
サージは、電気回路や電気系統に通常の電圧を越えて、瞬間的あるいは、断続的に発生する過電圧の事を言います。
このサージの電圧によって、電気機器は絶縁破壊や機能停止、劣化などの影響を受けます。
サージは、高電圧で低周波です。サージの発生原因としては、
自然現象による雷サージ(直撃雷サージ、誘導雷サージ)、電気回路系統の過渡現象による、
開閉サージ、故障等による過電圧サージ等があります。
ノイズ
ノイズは、半導体など弱電機器を破壊する程では無いが、正常な動作に支障を生じさせたり、
コンピュータのメモリやディスク内の記憶を喪失させたりする虞(おそ)れのあるレベルの異常電圧の事を言います。
ノイズは、サージに比べ低電圧で高周波です。