LED投光器
屋外用の投光器の防塵・防水性能は、どれくらい必要?
「屋外用」と謳っているものなら、どの投光器だって最高峰の防塵・防水スペックであるはずだ、と思われるかもしれません。 しかし、実際はそうではありません。どれくらいの防塵・防水性能が必要なのか。 製品のどこを見たら良いのか。屋外用投光器のスペックの見方を解説します。
浸水や塵は、LED投光器の破損の原因の一つ!
LEDは劣化するフィラメントがないので「球が切れる」ことはなく、理論上の寿命は半永久です。
しかし、実際はLED器具も壊れることがあります。壊れる箇所は、基盤部分の電子回路。
主な故障要因は熱です。放熱が間に合わず基盤が高温になると、コンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする部品)が壊れたり、
ハンダが取れたりするためです。
また、水や塵も電子回路の故障の原因です。 水や塵が電化製品の故障を招くのは、それが電気を通すためです。
思わぬ電気の流れを作ってしまい、ショートします。
通電していない状態でもコンデンサが電気を蓄えているため、壊れることがあります。
防水・防塵の保護等級とは?
防水性能、防塵性能の保護等級は、IEC(国際電気基準会議)及びJIS(日本工業規格)の2つの規格に基づいています。 日本工業規格の保護等級(JIS C 0920)とは、日本工業規格にて規定された防水、防塵のランクによる等級を表しています。 また、IEC(国際電気基準会議)にて定められた基準(IEC 60529)により、 人体及び固形物に対する保護等級と水の浸入に対する保護等級(IP Code)が設定されています。
IPコードとは?
IPコードは、2つの保護等級をコード化したものになります。 基本的には、「人体及び固形異物(粉塵等)に対する保護」である第1記号と「水の浸入に対する保護」である第2記号から構成されています。 たとえば「IP68」の場合、第1記号である「6」は固形異物(粉塵等)に対する保護等級を 第2記号である「8」は水の浸入に対する保護等級を意味しています。また、どちらかの保護等級を省略する場合は「X」を記載します。
第1記号説明
記号 | 種類 | 保護の程度 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 特には保護されていない。 |
1 | 50mmより大きい固形物に対する保護 |
人体の表面積の大きな部分、例えば手などが誤って内部の充電部や可動部に接触する恐れがない。 直径50mmを超える固形物体が内部に侵入しない。 |
2 | 12.5mmよりも大きい固形物に対する保護 |
指先、又は長さが80mmを超えない指先類似物が内部の充電部や可動部に接触する恐れがない。 直径12.5mmを超える固形物が内部に侵入しない。 |
3 | 2.5mmよりも大きい固形物に対する保護 | 直径又は厚さが2.5mmを超える工具やワイヤなどの固形物体の先端が内部に侵入しない。 |
4 | 1.0mmよりも大きい固形物に対する保護 | 直径又は厚さが1.0mmを超えるワイヤや銅帯などの固形物体の先端が内部に侵入しない。 |
5 | 防塵形 | 粉塵が内部に進入することを防止する。若干の粉塵の侵入があっても正常な運転を阻害しない。 |
6 | 耐塵形 | 粉塵が内部に侵入しない。 |
第2記号説明
記号 | 種類 | 保護の程度 | |
---|---|---|---|
0 | 無保護 | JIS C 0920 | 特には保護されていない。 |
1 | 滴下する水に対する保護 | JIS C 0920 | 鉛直に落下する水滴によって有害な影響をうけない。 |
2 | 15°傾斜した時落下する水に対する保護 | JIS C 0920 |
正常な取付位置より15°以内の範囲で傾斜した時、 鉛直に落下する水滴によって有害な影響をうけない。 |
3 | 噴霧水に対する保護 | JIS C 0920 | 鉛直から60°以内の噴霧水に落下する水によって有害な影響をうけない。 |
4 | 飛沫に対する保護 | JIS C 0920 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響をうけない。 |
5 | 噴流水に対する保護 | JIS C 0920 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響をうけない。 |
6 | 暴噴流に対する保護 | JIS C 0920 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても内部に浸水の形跡がないこと。 |
7 | 浸漬に対する保護 | JIS C 0920 | 規定の圧力、時間で一時的に水中に浸水しても内部に浸水の形跡がないこと。 |
8 | 水没に対する保護 | JIS C 0920 |
製造者によって規定(※)される条件に従って、 連続的に水中に置かれる場合に適する。 原則として完全密閉構造である。 |
日本は沖縄から東北までのほとんどの地域が台風の通過点になります。
昨今、ゲリラ豪雨も頻繁に発生し、雨の少ない地域でも油断はできません。
「屋外用」製品=全天候型とはいえません。