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スポーツ照明基準

スポーツ施設の照明環境

スポーツ競技場は競技者、審判員などの競技関係者、観客、TV放送関係者などが、 安全、円滑、快適に競技を行ったり、観戦したり、撮影したりするために、 競技が明瞭に見えるように照明しなければなりません。 競技場内には適切な明るさと色の対比があり、すべての場所に十分な光が適切に配分され、グレアが適切に制限されることが重要です。

スポーツの区分

スポーツを行う際に要求される照明環境は、スポーツの水準や競技により異なります。 JIS Z 9127スポーツ照明基準(2011)1)の水準により下表のように区分し、 特定のスポーツ競技(球技、運動競技、陸上競技、水泳、ウインタースポーツ、格闘技など)毎に照明要件を定めています。
運動競技の区分および適用例
運動競技の区分 適用例
観客のいる国際、国内、地域全体または特定地域における最高水準の運動競技会。最高水準のトレーニング
観客のいる地域全体または特定地域における一般的な運動競技会。高水準のトレーニング
観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育またはレクリエーション活動。一般のトレーニング

光色

対象物を明瞭に見せることは必要ですが、レクリエーションなどで長時間にわたって行うスポーツ施設では、照明による雰囲気作りも必要です。
光色が快適であると感じる印象は照度レベルの影響で変化する場合がありますが、光色から受ける印象は一般的に下表のようなものであるとされています。
純粋な競技目的専用ではなくレクリエーションが主目的のスポーツの場(例えば、高齢者が軽い運動を行うこともあるような多目的共用ホールなど)などでは、 照明による雰囲気作りのため、暖かい感じの色が好ましい場合もあります。
光源の光色から受ける印象の傾向
相関色温度(K)受ける印象
(高)5,300以上涼しい
(中)5,300~3,300どちらとも感じない
(低)3,300未満暖かい

グレア

光源からのグレア(まぶしさ)は完全に避けることができないため、ある程度の不快感を競技者あるいは観客に与えることになります。
グレアは競技中に視覚が過度に阻害されない程度に制限・抑制し、グレア制限は種々の方法で実施することができます。
グレア制限のための手法は、他の照明所要条件を満足させる手法と時として相反します。
グレアのメリットとデメリツトの関係は相対するコートの逆側に居る競技者や観客には反転して生じます。
グレア制限と他の照明所要条件を満足させるためには、すくなからず妥協が必要になります。 しかし、一般的には見え方が少し低下するという犠牲を払っても、グレアを効果的に制限することの方が望ましいこともあります。

減能グレア

スポーツ照明施設では、競技者や観客は視線をあらゆる方向に動かしますので、 光源を直視したときに視覚に影響するような減能グレアを完全に防止することは非常に困難です。 従って競技者や観客の『通常の視線方向』に投光器を配置しないようにして、減能グレアを軽減させることが大切です。

不快グレア

光源を直視しない場合でも、施設によっては「目障り」に感じる場合があります。 このようなグレアを不快グレアといい、この「目障り」の程度がきついと、見ようとする対象物が見づらくなります。

明るさ(照度)

一般に人工照明で得られる照度は、自然昼光に比べると非常に低い値です。 しかし、競技の見え方は目の順応レベル、光の方向性、照度などによって決まるため、 適切に設計された照明設備が設置されれば、人工照明によっても、非常に良好な見え方を得ることができます。
必要な照度の要件は競技によって異なります。
その他に各スポーツの連盟や協会で独自に照明要件を設定されている場合もあります。
また、競技がテレビ中継される場合は、直接人間の目で見る場合だけに必要な照度より高い照度が要求されます。 人やボールなどの立体的な視対象の見え方は、競技グランドなどの基準面の水平面照度だけでなく、 それら視対象が動く空間の照度にも関係します。

運動場及び競技場(球技など)

JIS Z 9127:2011 より抜粋
競技場、競技種目及び/又は競技区分 維持照度
Em (lx)
照度均斉度
Uo
屋内統一
グレア制限値
GRLa)
平均演色
評価数
Ra
注記
硬式野球 屋外 内野 1000 0.7 50 60
外野 750 0.5 50 60
内野 750 0.6 50 60
外野 500 0.5 50 60
内野 500 0.5 55 -
外野 300 0.3 55 -
軟式野球 屋外 内野 750 0.6 50 60
外野 500 0.5 50 60
内野 500 0.5 50 60
外野 300 0.5 50 60
内野 300 0.5 55 -
外野 200 0.3 55 -
ソフトボール 屋外 内野 750 0.7 50 60
外野 500 0.5 50 60
内野 500 0.6 50 60
外野 300 0.5 50 60
内野 200 0.5 55 -
外野 100 0.3 55 -
アメリカンフットボール、サッカー、
ラグビー
屋外 500 0.7 50 60
200 0.5 50 60
100 0.3 55 -
ラクロス、ホッケー 屋外 500 0.7 50 60
300 0.5 50 60
200 0.3 55 -
ハンドボール、フットサル 屋外 500 0.7 50 60
200 0.6 50 60
100 0.5 55 -
屋内 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
200 0.5 - -
テニス 屋外 500 0.7 50 60
300 0.6 50 60
200 0.5 55 -
屋内 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
300 0.5 - -
バレーボール、バスケットボール 屋内 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
200 0.5 - -
バドミントン、卓球、
ラケットボール、スカッシュ
屋内 750 0.7 - 60 卓球は、
テーブル面が
基準面。
500 0.6 - 60
300 0.5 - -
ゴルフ練習場 屋内 100 0.8 - -
50 - - -
注 a) GRLは、屋外競技に適用する。
運動競技の区分
Ⅰ:観客のいる国際、国内、地域全体又は特定地域における最高水準の運動競技会。最高水準のトレーニング。
Ⅱ:観客のいる地域全体又は特定地域における一般的な運動競技会。高水準のトレーニング。
Ⅲ:観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育又はレクリエーション活動。一般のトレーニング。

運動場及び競技場(運動競技、陸上競技、格闘技、水泳など)

JIS Z 9127:2011 より抜粋
競技場、競技種目及び/又は競技区分 維持
照度
Em (lx)
照度
均斉度
Uo
屋内統一
グレア制限値
GRLa)
平均演色
評価数
Ra
注記
運動競技、陸上競技 屋外 500 0.7 50 60
200 0.5 50 60
100 0.3 55 -
屋内 500 0.7 - 60
300 0.6 - 60
200 0.5 - -
アーチェリー、弓道 屋外 射場全般 200 0.7 - 60
200 0.6 - 60
100 0.5 - -
的30m又は90m(鉛直面) 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
300 0.5 - -
屋内 射場全般 300 0.7 - 60
300 0.6 - 60
200 0.5 - -
的18m(鉛直面) 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
300 0.5 - -
的90m(鉛直面) 1000 0.7 - 60
750 0.6 - 60
500 0.5 - -
体操、リズム体操、
フィットネス、
エアロビクスダンス
屋内 500 0.7 - 60
300 0.6 - 60
200 0.5 - -
重量挙げ 屋内 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
200 0.5 - -
競輪、自転車競技 屋外 500 0.7 50 60
300 0.5 50 60
100 0.3 55 -
屋内 750 0.7 - 60
500 0.6 - 60
200 0.5 - -
ボクシング、レスリング、
相撲、柔道、
武術、剣道、
フェンシング
屋内 750 0.7 - 80
500 0.6 - 60
200 0.5 - -
水泳(全運動競技) 屋外 500 0.5 50 60
300 0.5 50 60
200 0.4 - -
屋内 750 0.5 - 60
500 0.5 - 60
200 0.4 - -
飛込み (空間) 200 - - 60
200 - - 60
注 a) GRLは、屋外競技に適用する。
運動競技の区分
Ⅰ:観客のいる国際、国内、地域全体又は特定地域における最高水準の運動競技会。最高水準のトレーニング。
Ⅱ:観客のいる地域全体又は特定地域における一般的な運動競技会。高水準のトレーニング。
Ⅲ:観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育又はレクリエーション活動。一般のトレーニング。


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